不動産クラウドファンディングは1万円からの少額で不動産投資が可能なため、近年急速に成長している注目の投資手法です。
この記事では、不動産クラウドファンディングの利回りの相場や収益の仕組み、さらにはファンドを選ぶ際の注意点について解説します。
不動産クラウドファンディング投資に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産クラウドファンディングの利回りについて
不動産クラウドファンディングの利回りは低いもので3%台、高いものでは10%を超えることもあります。
ファンドによって異なりますが、一般的には4~8%程度(年利換算)が相場です。
いまいちピンとこないと思いますので、他の不動産投資と比べてみましょう。
不動産クラウドファンディング以外の不動産投資には現物不動産投資やREIT(不動産投資信託)があります。
現物不動産投資とは、不動産を購入し賃貸による収益を得るか、売却して譲渡益を狙う投資方法です。
REIT(不動産投資信託)は、不動産に少額から投資できる点で不動産クラウドファンディングと似ていますが、投資対象、保有期間、流動性などに違いがあります。
不動産クラウドファンディングの利回りの相場と、他の不動産投資の一般的な利回りを比較してみましょう。
利回りの差はそれほど大きくありませんが、3つの違いは投資に必要な資金や使い勝手です。
不動産クラウドファンディングが他の不動産投資よりも優れている点は少額から投資できること、運用中の値動きがなく利回りが一定であること、そして短期間で運用できることです。
合わせて、不動産クラウドファンディングの大きな特徴は利回りが事前に決められており、基本的にその通りに利益が得られる点です。
現物不動産投資でも物件情報には表面利回りが記載されていますが、これは満室を前提としたもので、諸経費を差し引く前の数値です。
REITに関しては、常に価格変動があるため、利回りは一定ではありません。
これに対し、不動産クラウドファンディングでは運用中の価格変動がなく、最初に設定された利回り通りにお金が支払われます。
運用タイプごとの不動産クラウドファンディングの利回りについて
不動産クラウドファンディングの利回りが決まる要素について説明する前に、運用タイプ(ファンド)ごとの利回りの傾向について解説します。
インカムゲイン型ファンドの利回りについて
不動産クラウドファンディングにおける「インカムゲイン型ファンド」とは、不動産の賃貸収入を配当の原資とするファンドのことです。
つまり、投資対象の不動産を第三者に貸し出すことで得られる収益が投資家に分配される仕組みです。
インカム型ファンドの場合、安定した収入が見込める一方で、利回りはやや低めに設定されることが多いです。
インカム型ファンドの平均的な利回りは3~5%程度で、一般的な現物不動産投資と同程度かやや低い水準となります。
キャピタルゲイン型ファンドの利回りについて
不動産クラウドファンディングにおける「キャピタルゲイン型ファンド」とは、不動産の売却による利益を配当の原資とするファンドのことです。
例えば、古いマンションをリノベーションして価値を高めた後に売却するプロジェクトや、土地を購入して建物を建築し、それを売却する開発プロジェクトが該当します。
キャピタルゲイン型ファンドは、インカム型ファンドと比べるとややリスクが高いファンドです。
予想よりも売却価格が低くなったり、売却がスムーズに進まないリスクがあるためです。
しかし、その分利回りも高くなる傾向があり、6~10%程度の利回りが設定されることが多いです。
中には利回りが15%を超えるものもあり、収益性を重視する投資家にとって非常に魅力的なファンドと言えるでしょう。
投資しようとしているファンドがインカム型かキャピタル型かは、ファンドの詳細ページに記載されていることが多いです。
また、プロジェクトの概要を読むことで大抵は判別可能です。
不動産を賃貸に出すものはインカム型、売却を目指すものはキャピタル型と覚えておくと良いでしょう。
不動産クラウドファンディングの利回りが決まる要素
ここでは、不動産クラウドファンディングの利回りが決まる要素について紹介します。
ファンドの運用タイプ
先述の通り、賃料収入を配当の元手とするインカムゲイン型ファンドは収益が安定しやすい反面、利回りが低くなる傾向があります。
一方、売却益を配当の元手とするキャピタルゲイン型ファンドは収益が減少するリスクがあるものの、利回りが高く設定される傾向があります。
不動産のエリア
不動産の価値を決定する最も重要な要素は立地です。
不動産クラウドファンディングは投資家から集めた資金で不動産を購入してその運用益を分配する仕組みですが、不動産投資の基本は「安く買って高く売る」ことです。
そのため、購入価格が高いほど利回りは低くなります。
都心の不動産は非常に高額であるため、インカム型でもキャピタル型でも郊外や地方、または駅から遠い場所の物件と比較すると利回りは低くなる傾向があります。
しかし、高額で人気のあるエリアであるということは賃貸需要や購入需要があることを意味するため、利益を逃すリスクは低いです。
不動産の賃料収入
インカム型ファンドでは、賃料収入の多寡が利回りに影響を与えます。
例えば「古い物件を購入して価値を向上させ(リノベーション)賃貸に出す」というプロジェクトの場合、その価値向上によってどれだけ賃料を上げられるかが利回りに大きく影響します。
ファンドを評価する際には、立地に加えて建物自体の魅力も慎重に見極めながら、利回りの妥当性を判断することが重要です。
事業者の運営方針
不動産クラウドファンディングでは投資家と不動産の借り手や購入者の間にサービス提供者が介在します。
サービス提供者も利益を得る必要があるため、どの程度のコストをかけているか、またはどれくらいの利益を取っているかによってファンドの利回りが変動します。
例えば「COZUCHI(コヅチ)」ではキャピタルゲイン型ファンドの場合、初期の想定利回りに関係なく、売却益の25%を上限として投資家に配分すると明示しています。
そのため、売却価格が予想を上回った場合、初期設定の利回りを大幅に超える利回りで分配されることが度々あります。
また、「ヤマワケエステート」も複数のファンドで想定利回りを上回る分配を行っており、公には明言していないものの、「COZUCHI」と同様の方針、またはそれ以上の還元率で分配を行っていると考えられます。
不動産への投資なら不動産クラウドファンディングがおすすめ!
少額から気軽に不動産投資したいという初心者の方には、不動産投資クラウドファンディングをおすすめします。
不動産投資クラウドファンディングは、1万円から始められるものが多いという特徴があります。
以下では、初心者にもおすすめの不動産投資クラウドファンディングを3つご紹介します。
CREAL
東京証券取引所グロース市場に上場しているクリアル株式会社が提供する不動産クラウドファンディングサービスがCREAL(クリアル)です。
CREALは累計で525億円以上の資金を募集し、100件以上のファンドを立ち上げた実績があります。
物件の選定にも強みがあり、現時点で配当遅延や元本割れは発生しておらず、空室リスクに対してはマスターリース契約で対応しています。
また、優先劣後方式(企業出資10%~20%)を採用しており安全性が高く、1口1万円からの少額投資が可能です。
ファンドによっては1人あたり10万円までの出資上限を設けるなど、多くの投資家に投資機会を提供する工夫がされています。
毎月1〜2件の募集があり募集物件の規模は数億円に達することも多いため、即完売するようなクリック合戦になることは少ないです。
ファンドの種類が非常に多く、マンションやホテルだけでなく、保育園や学校の案件もあり、幅広い投資が可能なのが大きな魅力です。
COZUCHI
COZUCHIは1999年に設立された歴史ある企業「LAETOLI株式会社(旧株式会社SATAS)」が運営する不動産クラウドファンディングです。
不動産証券化のコンサルティング業務や不動産小口化商品の組成と販売も自社で行っているため、不動産事業において豊富なノウハウと経験を持っています。
COZUCHIの最大の魅力は平均を大きく上回る高い利回りです。
さらに、累計調達額は700億円を超え、圧倒的な実績を誇ります。
優先劣後方式を採用しているため、リスクを抑えながらも高い利回りを狙いたい方に最適な不動産クラウドファンディングと言えます。
最短2か月の短期ファンドから2年程度の長期ファンドまで幅広い期間のファンドを取り扱っており、1万円からの少額投資も可能なので、初心者の方にもおすすめです。
ファンドは不動産の専門家が「収益性」「立地」「将来性」の3つの観点から選定しており、運用まで完全に任せられるので安心です。
大きな特徴の一つとして、運用中に現金が必要になった場合、手続きを行うことで翌月に換金してもらえる点があります。
運用中に急な出費があった場合でも、COZUCHIのファンドへの投資であれば安心です。
利回りくん
株式会社SYLAが運営する「利回りくん」は地域の活性化や社会貢献、そして誰かの夢をサポートすることをテーマにした不動産投資が可能です。
利回りくんの特徴として、取り扱う物件がユニークである点が挙げられます。
前澤友作氏や堀江貴文氏などの有名人とのコラボレーション物件もあり、金銭的なリターンだけでなく割引券やライブチケットなどの特典が付く案件もあります。
さらに、2021年からは楽天ポイントとの提携も開始しています。
まとめ
今回は、不動産クラウドファンディングの利回りの相場や収益の仕組み、さらにはファンドを選ぶ際の注意点について解説します。
この記事が、みなさんの不動産投資をはじめるきっかけとなれば幸いです。
30代のサラリーマン。妻と二人のこどもと四人暮らし。
将来の資金のために、不動産投資を勉強中。
最近は不動産クラウドファンディングに興味も持ち始めている。