少額から手軽に始められ安定した利回りが期待できることから、近年は不動産クラウドファンディングが注目を集めています。
この記事では、不動産クラウドファンディングの仕組みや概要、メリット・デメリットについて、他のどこよりも詳しくわかりやすく説明します。
目次
不動産クラウドファンディングとは
不動産クラウドファンディングとは不動産事業を行う企業（運営会社）に対して複数の投資家が資金を提供する「不動産小口化商品」の一種であり、企業にとっては資金調達の手段となります。
不動産小口化投資商品の特徴は、通常であれば購入費用が数千万円から数億円にもなる不動産を小口化することで、一般の個人投資家でも不動産投資を始めやすくする点です。
従来の不動産小口化投資商品は1口あたり10万円から100万円が必要で、やや高いハードルがありました。
その点、新しい仕組みである不動産クラウドファンディングは1口1万円からのものが多く、さらに手軽に不動産投資ができるようになっています。
また、インターネット上で投資を完結できる点も大きな特徴です。
不動産クラウドファンディングの仕組み
不動産クラウドファンディングは、一般的に次のような手順で進行します。
まず、運営会社がファンドを立ち上げ、資金を募集します。
次に、投資家がそのファンドに対して出資します。
集められた資金を使って、運営会社が不動産を購入します。
その後、運営会社は取得した不動産を一定期間運用します。
運用によって得られた利益を基に、投資家に分配します。
具体的には、不動産クラウドファンディングの運営会社はファンドを通じて多くの投資家から資金を集め、その資金で対象となる不動産を購入します。
そして、一定の運用期間中に得られた賃料収入（インカムゲイン）や不動産の売却益（キャピタルゲイン）を基に、投資家に分配する仕組みです。
不動産クラウドファンディングのメリット
ここでは、不動産クラウドファンディングのメリットについて解説します。
少額投資（１万円～）ができる
不動産クラウドファンディングの最大の魅力は、簡単に不動産投資を始められる点です。
投資家が自分で現物の不動産に投資しようとすると最低でも数百万円から数千万円の資金が必要ですが、不動産クラウドファンディングなら、ほとんどの場合1万円という少額から投資を始めることができます。
高利回りが期待できる
不動産クラウドファンディングの年平均利回りはおおよそ4～8％です。
この数値は一般的な現物不動産投資と比較しても遜色ありません。
中には利回りが10％を超える案件もあり、比較的短期間で高い収益を得られる点が大きな魅力です。
大型プロジェクトに投資できる
不動産クラウドファンディングの投資先は住居用マンションや商業施設だけでなく、空き家の再生プロジェクトやリゾートの開発プロジェクトなど、さまざまな種類があります。
小規模なプロジェクトでは募集金額が数百万円程度のものもありますが、なかには数十億円に達する大規模なプロジェクトもあり、選択肢は豊富です。
不動産クラウドファンディングを利用すれば、個人では投資が難しいようなプロジェクトにも手軽に参加できます。
不動産クラウドファンディングのデメリット
ここでは、不動産クラウドファンディングのデメリットについて解説します。
元本保証はされていない
不動産クラウドファンディングも投資商品である以上、一定のリスクが伴います。
優先劣後方式により元本割れのリスクを軽減する仕組みはありますが、元本を保証するものではありません。
また、各ファンドには想定利回りが設定されていますが、運用状況によってはその利回りを下回ることもあります。
不動産クラウドファンディングでは投資家が直接不動産を購入するわけではありませんが、不動産を扱う以上、現物不動産投資と同様のリスクが存在します。
代表的なものとして空室リスクが挙げられます。
投資対象物件を賃貸に出して利益を得る場合、長期間にわたる空室が発生すると想定通りの賃料が得られず、配当が得られなくなる可能性があります。
また、売却益を狙うファンドの場合、不動産市況の変動などにより不動産の価値が下落し、想定した額で売却できなかったり買い手が見つからないといったリスクも考えられます。
流動性が低い
例えば株式投資の場合、市場が開いている時間であればいつでも売買の注文を出すことが可能です。
一方、不動産クラウドファンディングでは多くの場合、投資した資金の途中解約や他人への譲渡（売却）ができません。
つまり、自分の都合の良いタイミングで現金化することが難しく、運用中のファンドを購入する機会も非常に限られているということです。
必要なときに売買ができない点はデメリットと言えるでしょう。
不動産クラウドファンディングの分配金とは？
ここでは、不動産クラウドファンディングの分配金について解説します。
分配金の原資について
不動産クラウドファンディングの分配金の元となる収益は主に2つあります。
1つは賃貸収入（インカムゲイン）で、もう1つは売却による利益（キャピタルゲイン）です。
それぞれを配当の元にするファンドをインカムゲイン型ファンドとキャピタルゲイン型ファンドと呼びます。
また、一定期間は賃貸収入を得て、その後売却を目指すハイブリッド型のファンドも存在します。
分配金の計算方法について
不動産クラウドファンディングの分配金は以下のように計算できます。
投資金額 × 利回り（％） × 運用期間（カ月） ÷ 12 ÷ 100
上記金額より税金が差し引かれ、残りが手取り金額となります。
分配の頻度について
不動産クラウドファンディングではファンドごとに運用期間が設定されています。
運用期間が12カ月以下のファンドでは多くの場合、出資金の返還と同時に分配金が支払われる「償還時一括支払い」が採用されています。
一方、運用期間が12カ月を超えるファンドでは分配金が半年に一度や四半期（3カ月）に一度支払われることが一般的です。
初心者は不動産クラウドファンディングがおすすめ！
少額から気軽に不動産投資したいという方は、不動産投資クラウドファンディングをおすすめします。
以下では、初心者にもおすすめの不動産投資クラウドファンディングを3つご紹介します。
CREAL
東京証券取引所グロース市場に上場しているクリアル株式会社が提供する不動産クラウドファンディングサービスがCREAL（クリアル）です。
CREALは累計で525億円以上の資金を募集し、100件以上のファンドを立ち上げた実績があります。
物件の選定にも強みがあり、現時点で配当遅延や元本割れは発生しておらず、空室リスクに対してはマスターリース契約で対応しています。
また、優先劣後方式（企業出資10%～20%）を採用しており安全性が高く、1口1万円からの少額投資が可能です。
ファンドによっては1人あたり10万円までの出資上限を設けるなど、多くの投資家に投資機会を提供する工夫がされています。
毎月1〜2件の募集があり募集物件の規模は数億円に達することも多いため、即完売するようなクリック合戦になることは少ないです。
ファンドの種類が非常に多く、マンションやホテルだけでなく、保育園や学校の案件もあり、幅広い投資が可能なのが大きな魅力です。
COZUCHI
COZUCHIは1999年に設立された歴史ある企業「LAETOLI株式会社（旧株式会社SATAS）」が運営する不動産クラウドファンディングです。
不動産証券化のコンサルティング業務や不動産小口化商品の組成と販売も自社で行っているため、不動産事業において豊富なノウハウと経験を持っています。
COZUCHIの最大の魅力は平均を大きく上回る高い利回りです。
さらに、累計調達額は700億円を超え、圧倒的な実績を誇ります。
優先劣後方式を採用しているため、リスクを抑えながらも高い利回りを狙いたい方に最適な不動産クラウドファンディングと言えます。
最短2か月の短期ファンドから2年程度の長期ファンドまで幅広い期間のファンドを取り扱っており、1万円からの少額投資も可能なので、初心者の方にもおすすめです。
ファンドは不動産の専門家が「収益性」「立地」「将来性」の3つの観点から選定しており、運用まで完全に任せられるので安心です。
大きな特徴の一つとして、運用中に現金が必要になった場合、手続きを行うことで翌月に換金してもらえる点があります。
運用中に急な出費があった場合でも、COZUCHIのファンドへの投資であれば安心です。
利回りくん
株式会社SYLAが運営する「利回りくん」は地域の活性化や社会貢献、そして誰かの夢をサポートすることをテーマにした不動産投資が可能です。
利回りくんの特徴として、取り扱う物件がユニークである点が挙げられます。
前澤友作氏や堀江貴文氏などの有名人とのコラボレーション物件もあり、金銭的なリターンだけでなく割引券やライブチケットなどの特典が付く案件もあります。
さらに、2021年からは楽天ポイントとの提携も開始しています。
まとめ
今回は、不動産クラウドファンディングの仕組みや概要、メリット・デメリットについて説明しました。
この記事が、みなさんの不動産投資を始めるきっかけになれば幸いです。
30代のサラリーマン。妻と二人のこどもと四人暮らし。
将来の資金のために、不動産投資を勉強中。
最近は不動産クラウドファンディングに興味も持ち始めている。